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- 歯並びが悪くなる悪習癖
お子様の不正咬合を予防するために

普段の生活で特に意識せず行っている動作が、実は歯並びや顎に悪い影響を与えている可能性があります。
特にお子様の口腔習癖は、将来的な歯並びや噛み合わせ、顔貌に大きく影響することがあります。
気になる癖は、できるだけ早く改善してあげるようにしましょう。
不正咬合を招く口元の悪習癖
不正咬合(歯並びの乱れ)は、遺伝的要因と環境的要因、2つの原因があると言われています。
遺伝的要因を治療で取り除くことは難しいですが、環境的要因は意識することで改善が可能です。
指しゃぶり
指しゃぶりは、歯並びに悪影響を及ぼす癖の代表と言っても過言ではありません。
小さなお子様はある程度様子見も必要ですが、乳歯が生え揃った頃にはきちんとやめさせることが大切です。
指しゃぶりの癖を長年放置していると、ほとんどの方が出っ歯や開咬などの不正咬合になります。
指をしゃぶる際に指で前歯が押され続けることによって、どんどん前歯は外側へ突き出てしまいます。
また、指を吸うことをイメージしてみるとわかりやすいですが、吸う力によって頬が内側に引っ張られるため、小臼歯周辺が内側へ傾きいびつな歯並びを作ってしまいます。
指しゃぶりによって起こり得る不正咬合
- 上の前歯が押されることによる出っ歯
- 歯と歯が噛み合わなくなる開咬
- 全体的にガタガタの歯並びが目立つ叢生
指しゃぶりを改善させるための方法
赤ちゃんの頃の指しゃぶりは精神を安定させる効果があるなど、仕方がないものでもあります。
しかし、4歳・5歳ごろになっても指しゃぶりが取れない場合には、親御様も一緒に改善に取り組むようにしましょう。
小児矯正に対応できる歯科医院では、指しゃぶりを改善するためのサポートも行っていることが多いので相談してみることをおすすめします。
唇を咬む癖
唇を咬む癖があるという方はお子様に限らずいらっしゃいますが、長期的に続くと出っ歯の原因になってしまうことがあります。
軽く下唇を咬んでみるとわかりますが、上下の前歯の間に唇が入り、上の前歯が外側に出て下の前歯は内側に倒れ込むようになっています。
この形が固定されると、かなり重度の出っ歯になってしまいます。
また、指しゃぶり同様にアンバランスな力が歯に加わることで、全体的な歯並びの乱れにもつながります。
唇を咬む癖によって起こり得る不正咬合
- 上の前歯が押されることによる出っ歯
- 全体的なバランスが崩れることで起こる叢生
唇を咬む癖を改善させるための方法
指しゃぶりと同様に、まずは徹底してやめるよう呼びかけていくことが大切です。
口腔習癖によって乱れてしまった歯並びは、小児矯正が可能な段階であれば取り外し式の装置を用いることで負担を軽減しながら改善が期待できます。
爪を咬む癖
爪や鉛筆など、手頃な硬いものを咬む癖があるお子様は少なくありません。
こうした習癖は、唇を咬むのと同様に、出っ歯や全体的な歯並びを悪化させてしまうリスクにつながります。
また、歯がすり減って噛み合わせが悪くなったり、お口のトラブルに繋がったりすることもあるため、しっかりと改善していくことが大切です。
爪を咬む癖によって起こり得る不正咬合
- 上の前歯が押されることによる出っ歯
- 全体的なバランスが崩れることで起こる叢生
- 歯がすり減ることで噛み合わせや歯の高さが乱れる
爪を咬む癖を改善させるための方法
まずはお子様への呼びかけなどを行い、無意識下での爪咬みを止めることが大切です。
すでに歯並びが悪化している場合には、早めに矯正治療を行うことで治療の期間や費用、お子様の負担を軽減できるでしょう。
舌を突き出す癖
唾液を飲み込む際に、上下の歯で舌を挟む癖があるお子様も多くいらっしゃいます。
この癖は舌癖の一種で、舌の位置が悪かったり、正しい嚥下ができていなかったりすると現れます。
逆に、舌の位置が正しく定まっている方は「舌を歯で挟んで唾液を飲み込む」と言われてもピンとこないと思います。
舌を突き出す癖によって起こり得る不正咬合
上下の歯のすき間が目立つ開咬
舌で押されることによって全体的な歯並びが乱れる叢生
舌を突き出す癖を改善させるための方法
改善には、ナイトガードに工夫を施して、舌圧が前歯へかかりすぎるのを防ぐ方法があります。
口呼吸

本来であれば、人間の呼吸は鼻呼吸であることが望ましいです。
しかし幼少期には口呼吸をしているお子様も多く、中にはそのまま大人になって未だに口呼吸が癖になっているという方もいらっしゃいます。
口呼吸は下顎に加わる力が強くなることで、受け口のリスクにつながります。
また、開咬や叢生などさまざまな不正咬合を引き起こす可能性があるため、早めに改善することが大切です。
口呼吸によって起こり得る不正咬合
- 唇や口腔内の筋肉のバランスが崩れることで起こる開咬
- 下顎に加わる力が強くなることで起こる受け口
口呼吸の癖を改善させるための方法
口呼吸になっている原因がある場合には、その原因を解消する必要があります。
例えば扁桃腺肥大やアレルギー性鼻炎などの方は鼻が詰まって口呼吸になりがちです。
後は意識的に鼻で息を吸って吐く、という動作を身につけましょう。